2020.04.13ストレスチェック・コンプラ調査・ハラスメント対策 , その他

なぜ、パワハラは起こる?!パワハラ発生のメカニズムとその対処

パワハラメカニズム

パワハラ防止が法律で義務化される昨今、パワハラの問題は各社で対応しなければいけない課題となっています。「パワハラ防止」ということですから、企業はパワハラが起きない環境を整備していかなければなりません。
そして、同時に、パワハラが起きたときにどのように具体的な対応をしたらいいのか?ということが再発防止として重要になります。
パワハラが起きない環境を作るためには、パワハラがなぜ起こるのか?というメカニズムを理解しておく必要があります。今回は、パワハラ発生につながる、人の感情のメカニズムとその対処をお伝えしたい思います。

パワハラはなぜなくならないのか?

「人に危害を加えてはいけません」という内容に対して、「嫌それはちがう!」と反論する人はいないと思います。
それでも、世の中では、至る所で犯罪が起きています。平和な国である日本でも例外ではありません。
パワハラも同様です。パワハラが良いことだ、と胸を張って答える人はいないでしょう。それでもパワハラはなくならない。それは何故でしょうか?

それは、パワハラがルールや道徳観の問題ではなく、「感情」の問題から起因しているからです。

パワハラにつながる感情の問題とは?

パワハラをしている人は、「よし、今からパワハラするぞ!」と自覚しているのでしょうか?
おそらく、パワハラをしているという自覚がない人が多いのではないでしょうか。
パワハラを感情の側面から分解してみると、その感情は「怒り」となります。
「なぜ、この人は怒っているのだろうか?」
そこを読み解いていく必要があります。
怒りの文脈は、実際にわかりづらいことが多いのも事実です。
感情が表面化するルートは、人によって異なっているので、他人には理解が難しいのです。

怒りを分解する

「怒り」は実は二次感情といわれます。何か別の感情があって、それが変化して「怒り」になる、ということです。
「怒り」の前の感情を一次感情といいます。一次感情は、怒り以外のネガティブな感情です。
「不安」「追い詰められている」「怖い」などが例としてあげられます。
私たちは、自分の心のコップが、どんな感情で満たされているか、で感情表現が変わってきます。
例えば、ものすごく忙しくて切羽詰まっているとき、つまり心が「余裕ゼロ」「焦り」などの感情で支配されているときに、どうでもいいような依頼や声かけをされると・・
「今話しかけないでよ!!」とイライラや怒りが沸いてきます。

一方で、良いことがあって、時間にも余裕があるとき、つまり心が「幸せ」「うれしい」「おだやか」な状態の時に、同様の依頼や声かけがあった場合はどうでしょう。
おそらく、丁寧に聞くことができるのではないでしょうか。

怒りの誘発原因は自分の中にある

怒りやイライラの原因を「あいつのせいだ!」と言いがちですが、このように考えると、怒りの誘発原因は、自分の中にあることがわかります。
自分の心の中がどうなっているか・・・が怒りの表出に大きく関わっているからです。

多くの人は、常に心のコップがネガティブなことはないかもしれません。
でも、一方で、常に自分のコップがネガティブに満たされている人もいます。

自分の心のコップがネガティブだと、怒りの表現が出やすくなってきます。

パワハラ行為者はどういう人がなりやすい?

パワハラ行為者になる人には、いくつかの特徴があります。
怒りがコントロールできない状態を作り出してしまう人たちです。

つまり、心の中がネガティブな感情で満たされていることが多い方々です。
ネガティブな状態というのは、一時的なものもあれば、積み重ねられてきたものもあります。

パワハラ行為者になりやすい人の特徴は、色々ありますが、その中から2つお伝えします。

べき思考が強い人

「時間は守るべき」「目上の人の言うことは聞くべき」などの思い込みを持っているケースです。
べき思考が多い場合は、物事を見る目がゆがんでしまうことがあり、これを認知のゆがみと言います。
べき思考の持ち主は、本人が気づかない中で、自分自身がこの思考に苦しめれています。
「本当はもっと自由になりたい、でもこうすることが絶対だから」と自分の中に絶対的な君主がいて、それに従わないとひどい目に遭う、という感覚を無意識的に持っています。

だから、他者にも同じような価値観を求めていきます。
それが、職場では時としてパワハラに繋がっていきます。

自己肯定感が低い

パワハラをする人はとても威張っていて、強そうに見えます。
しかし、心の中をのぞいてみると・・・実は、いろんなことにおびえています。
もともとべき思考が強い方が多いので、そんな弱い自分は外に出すことができません。
そんなとき、人はどうするのか?というと、

相手を下げることで、自分の位置を相対的にあげようとします。
あるいは、自分より弱い相手をターゲットにして、自分を相対的に高めようとします。

目上の人には偉そうにしないのに、目下の特定の人に厳しい、というのは良くあるケースではないでしょうか。

パワハラ行為者への対応はどうしたらいい?

では、実際にはパワハラが起きてしまったらどうしたら良いのでしょうか?
企業としてパワハラ防止のためのルールをしっかり構築するのはもちろんですが、
行為者に対して具体的に再発防止のための教育をしていく必要があります。

パワハラが起きた場合には、以下のステップで行為者への教育対応をしていきます。

①パワハラ行為の程度を見極める

パワハラの悪質性、頻度、きっかけなどにより程度を見極めます。

②パワハラ行為者の心理的課題の対処を行う

パワハラは行為者の心理的な問題が潜んでいます。行為の程度によっては、行為者の心理的課題の対処が必要になってきます。

一方で、心理的課題の対処については、どこまでを企業がフォローするのか、対策のレベル感を決めていく必要があります。企業がすべてフォローするのか、改善要求とその改善度合いのジャッジメントだけにするか、対応の中身まで検討していく必要があります。

パワハラ予防と改善策の両面から

企業が取り組むべきパワハラ対策は、予防とパワハラが起きた場合の改善策の両面からの対応が重要です。どちらが片手落ちになっても、企業として十分な対策にはなりません。
特にパワハラが起きた場合の改善策は、個別の教育支援が必要になってきます。
当人の心理的な背景にも留意しながら、対応できる体制作りをしていきましょう。

著 者

株式会社シースリーフュージョン
代表取締役 小島 希美
1999年日本女子大学卒業後、システムエンジニアを経て、メンタルヘルス対策専門会社にて、営業、コンサルタント、企画室室長として従事。2018年、株式会社シースリーフュージョン、シースリーフュージョン社会保険労務士事務所を設立。

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