失敗しない!360度評価(多面評価)のメリット・デメリット

2020.12.18 360度評価
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いま浸透しつつある「360度評価(多面評価)」!上司が一方的に部下を評価するのではなく、部下が上司を評価することを筆頭に、様々な立場のひとからの多面評価でフィードバックを得られると注目されている仕組みです。上司・同僚・部下などの複数の視点から「対象者の日常行動に対する評価」を集計。本人と他者の認識ギャップを可視化します。
新しい仕組みは良い面ばかりが目立ちますが、導入後の運用を失敗しないためにも、今回は「360度評価(多面評価)」のメリット・デメリットについてご紹介します。

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360度評価とは?メリットと必要となる背景

終身雇用が当たり前だった時代には、年功序列をベースとした人事考課が主力でした。しかしながら、現在は成果主義へとシフトする企業が増加し、人事考課の見直しを迫られています。組織のフラット化やコミュニケーションツールの普及により、上司はマネジメント人数が増え、直接的なコミュニケーションに割く時間が取れないということも起こっています。そんな中、メンバーには自律性や自走力が求められています。
日経新聞によればテレワークが導入が広がった結果、360度評価になった企業が出ているという報道もあります。

→参考:テレワークで360度評価に 個人の能力わかりやすく

このような背景の中、注目されているのが、複数の関係者の視点から対象者の日常行動を評価し、本人の行動改善を促す360度評価(多面評価)です。まずは4つのメリットをご紹介します。
また、360度評価(多面評価)の評価項目のサンプルとコメントの具体例も併せて紹介しておりますので、ぜひ、参考にしてみてください。
具体的には、以下の5つの項目があります。
・評価の客観性が高まる
・直属の上司が発見できなかった点を評価できる
・多面的に自身の現状を知ることができるー管理職の育成にも効果的
・コンピテンシー(行動特性)の浸透につながる
・360度評価によって社員間のいじめ等、人間関係の把握ができる可能性がある
それぞれについて解説します。

評価の客観性が高まる

そもそも評価は公平で客観的なものでなければなりませんが、人間が人間を評価する以上は好き嫌いや相性といった感情的なものが多少なりとも影響することが考えられます。複数の評価者から評価が得られる360度評価(多面評価)では、より公平で公正な評価が可能となります。

直属の上司が発見できなかった点を評価できる

フラット化する組織、多様化する働き方の中、上司が部下との多くは持てなくなった接点を複数の評価者の視点で補うことで、対象者の納得性を高めることができます。同時に上司が気づけていなかった新しい特性の発見にもつながります。また、結果のフィードバックを通してコミュニケーションの向上もはかれます。

多面的に自身の現状を知ることができるー管理職の育成にも効果的

自己評価と他者評価の違い、関係者による評価の違いから自己の強みや弱みを多面的に把握し、自己理解を深めることができます。また、上司による指導・育成のポイントが明確になり、効果的な育成につなげることもできます。管理職層では、部下や同僚からの率直な評価を得ることで現状の課題の認識につながります。

コンピテンシー(行動特性)の浸透につながる

対象者本人が改善すべき行動を自覚することで、目指す姿に近づくための意識改革ができます。そのため、高い成果をあげるために必要なコンピテンシーを浸透させ、自社のミッションやバリュー、クレドの体現を加速させることができます。

360度評価によって社員間のいじめ等、人間関係の把握ができる可能性がある

360度評価によって社員間のいじめ等、人間関係の把握ができる可能性があります。
360度評価を導入することによって、上司と部下でコミュニケーションをする機会が増えるためです。
コミュニケーションの増加により部署での人間関係の問題なども把握できるようになるので、社員間での力関係によるいじめやパワーハラスメントを把握しやすくなる可能性があります。

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360度評価のデメリットを克服する3つのポイント

360度評価(多面評価)は個々人の考えよりも集合知のほうが正確であるという考え方に基づいています。しかし集団浅慮という言葉が存在するように集合知は常に正しいとは限りません。集団での評価を優れた集合知とするための3つのポイントをご紹介します。

360度評価(多面評価)は「360度フィードバック」

360度評価(多面評価)の目的は「育成」です。「業績評価」が目的の人事考課に組み込むべきではありません。また、人事考課に紐づけることで回答に歪みが生じる可能性もあります。代表例は「談合」や「過度な気遣い」です。社員の成長に有益なデータを集め、評価とは別のところで、リアルタイムでフィードバックする機会を設けることが重要です。

運用ルールをしっかり説明する

360度評価(多面評価)は、多方面のメンバーを評価することになり現場の負担が懸念されやすく、不満も出ることが考えられます。現場を巻き込んだ取り組みには現場の協力は不可欠です。360度評価(多面評価)は人材育成のためのデータ集めであることを腹落ちするまで現場に伝え、評価する側も評価される側も身構えないルールの制定と周知が重要です。

そもそも1回のみの実施では効果が薄い!

360度評価(多面評価)は「評価を実施して終了」ではありません。実施後に結果をフィードバックして、対象者が行動を改善して、再評価してというサイクルを回してこそ効果が出るものです。人材マネジメント力の向上や組織の活性化といったステップにつなげるためにも、安定的に効果を感じられるようになるまで続けることが必要です。
「現場の不満」や「膨大な手間」を理由に効果が出る前に、数回実施しただけでやめてしまう会社も少なくないようです。効果を感じるためには、負担なく続けられる体制づくりや運用方法が重要です。360度評価(多面評価)は個人のフィードバックだけにとどめず、組織活性化に活用するという方向性も示されています。360度評価(多面評価)の可能性が広がっている今、パフォーマンスの高い組織を作るアプローチ方法のひとつとして導入を検討してみてはいかがでしょうか。

評価基準の決定において重要なこと

360度評価の評価決定に重要なことについて、以下の3つがあります。
・成果のみを重視するのではなく過程も含んで評価基準を設定する
・管理監督者と現場双方の意見を尊重する
・社員個人の評価だけではなく組織として重要な課題があれば全社的に改善活動を行う
それぞれについて解説します。                                  

成果のみを重視するのではなく過程も含んで評価基準を設定する

評価基準を決定するときには成果のみを重視するのではなく過程も含んで評価基準を設定するようにしましょう。
理由として、工程を評価しなければ部下のモチベーションを奪う可能性があるためです。
結果を出せなければそれまでのことが全て無駄だった、となれば絶望して努力をする意味を見失うこともあり得ます。
しっかりと社員の努力の工程を評価するようにしましょう。

管理監督者と現場双方の意見を尊重する

評価基準の決定時においては管理監督者と現場双方の意見を尊重するするようにしましょう。
経営者と人事サイドの意見だけで作られた評価制度は「経営者サイドからの一方的な要求の押し付け」ではないかと社員に受け入れられない可能性があるためです。
必ず現場サイドの意見も取り込み、双方納得済の制度策定を行うようにしましょう。

社員個人の評価だけではなく組織として重要な課題があれば全社的に改善活動を行う

社員個人の評価だけではなく組織として重要な課題があれば全社的に改善活動を行うようにしましょう。

社員個人の評価を策定するだけで終わる問題ではないというケースも存在するためです。

仮に会社全体的に動かないといけない問題があるときに社員個人だけに問題解決を求めればそれは「経営サイドの経営責任を現場に転嫁している」と受け取られて社員全体に不信感を与えかねません。

次は、実際に弊社で提供している360度評価(多面評価)の評価項目について具体例付きで解説します。
これまで360度評価(多面評価)のメリットとデメリットをお伝えしてきましたが、ここからは、実際の評価項目について解説していきます。

360度評価の評価項目サンプル

「360度評価(多面評価)の評価項目って実際にはどんなものなのだろうか」と気になっていませんか。
360度評価(多面評価)の評価項目は多岐にわたりますが、主に人材育成を目的としています。
360度評価(多面評価)の評価項目のサンプルとして、人材育成に関しては以下のような項目があります。
・部下・メンバーに対して期待を伝え、成長に向けた目標や課題を設定している
・部下・メンバーの育成を考慮して仕事を与え、 適切な助言や指導を行っている
それぞれについて解説します。

部下・メンバーに対して期待を伝え、成長に向けた目標や課題を設定している

部下・メンバーに対して期待を伝え、成長に向けた目標や課題を設定しているかどうかが人材育成の観点から評価項目に入っています。
しっかりと部下やメンバーに対して期待感を伝えて、積極的な行動を促すために、課題や目標を与えることは人材育成においては非常に大切なことです。
目標に対して本人と周囲からの評価をつけることができます。

部下・メンバーの育成を考慮して仕事を与え、 適切な助言や指導を行っている

部下・メンバーの育成を考慮して仕事を与え、 適切な助言や指導を行っているかどうかが評価項目に入っています。
組織全体で仕事ができる人材を育てようと考えたときに、部下やメンバーの成長を促すために仕事を振っているかどうか、アドバイスを積極的に行っているかどうかは非常に大切な要素といえます。
目標に対してどれくらいの達成度があるかを本人と他者の評価を見ることができるため、自分自身の評価を客観視することができます。

フィードバックとしてのコメントの例文(360度評価のシートに記載するコメントの例文)

全体の評価項目を評価し終えたら、次は、フィードバックを行います。
360度評価(多面評価)のフィードバックとしてのコメントの例文を紹介します。
360度評価(多面評価)のフィードバックとしてのコメントの特徴として、本人の想い(評価)に対して、周囲のメンバーがコメントを行う形をとることになります。
具体例として、以下のようなコメントがあります。

本人のコメント

“責任感があるところです。仕事の大小に関わらず、自分がやると決めたこと、任された仕事に関しては、仕事の目標を達成するために最後まで責任を 持ってやり遂げることができます。どんなに高い目標にも、メンバーと打開策を話し合い、すぐに実行に移し検証することを繰り返し行い、対目標比 150%の実績を残すことができました。”

メンバーのコメント

“部下からの信頼があついようです。”
“相変わらず部下との関係が良好な様子。すばらしい! 判断力も伸びてきたのではないでしょうか。”
“コミュニケーション能力は非常に高く、メンバーから慕われている。相談されやすいので、大事に至る前に事変に気付ける。”

本人の評価に対して他のメンバーがコメントを行うことで、評価される人自身の仕事ぶりが客観的に見ることが出来るようになります。
フィードバックを活かし、社員がイキイキ活躍できる風土づくりを行うようにしましょう。

360度評価システムの導入事例

「他社では360度評価システムは導入されているのかな」と気になっていませんか。具体的には、以下の企業が360度評価システムを導入していると報道されています。

・トヨタ自動車
・株式会社ディー・エヌ・エー
それぞれについて解説します。

トヨタ自動車

読売新聞の報道によれば、日本を代表する自動車メーカー、トヨタ自動車でも360度評価が導入されていると報道されています。

トヨタ自動車のように日本を代表する企業が導入しており、制度自体のニーズが非常に高いということが理解できます。
部下が上司を評価する仕組みに対して新しさを感じている企業も多いのではないでしょうか。

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーは企業メディアで360度評価を導入していると発表しています。

→参考:フルスイング DNA企業メディア 「“記名式”の360度フィードバックで改善サイクルを早める」社員を輝かせるDeNA人事のポリシー|フルスイングmeetup!! レポート

360度評価を導入することによってフィードバックをより強化し、社員がより活躍できるようにしていくという狙いがあるようです。
優秀な人材を採用して、その人材がより活躍できるような仕組みづくりの一環として360度評価を導入しています。

自社の課題解決のために360度評価をフル活用しよう!

自社の課題解決のために360度評価をフル活用するようにしましょう。
360度評価は部下が上司を評価するという非常に風通しの良い社風をもたらすことができるなどの大きなメリットがあります。
自社の課題解決のために、制度をしっかりと制定し、より働きやすい企業を目指すようにしましょう。

(2020.12.18追記)

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スマレビHR ONLINE 編集部

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