導入事例

マクセルホールディングス株式会社様

経営層の発案から360度フィードバックを導入
多様な意見を積極的に仕事の改善に
活かす文化の醸成へ

マクセルホールディングス株式会社

人事総務部 人事教育課  
鷹栖 直輝 様

  • 管理職育成
  • 人材育成
  • コミュニケーション向上

360度フィードバック実施の背景

ーーなぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

導入の始まりは経営層からの発案でした。
企業全体として、あるべき管理職像を示せていなかった事実があり、管理職の皆さんも実際にどのように部下と接すればよいかわからなくなっていました。
その原因は2017年に日立グループから独立し、他にも合併や統合などが重なって、従業員のバックグラウンドがバラバラになっていたことにあります。
そういう中で管理職に360度フィードバックを導入することで、行動の物差しをつくり、管理職本人に行動改善への気づきと新たなコミュニケーションのきっかけにしてもらいたいと考えました。

施策実施、サービス導入のねらい

ーー施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?

製造業はどこもそうかと思いますが、従業員は40歳以上が圧倒的に多く、リーマンショックの影響で30代が少ない。
2016年からは新入社員を一定数採り始めたので20代の若手はある程度いますが、中堅層は少ないのです。
そのためミドルマネジメント層の人材が不足してギャップができています。
年齢層が偏ると目標となる管理職がいないままに管理職になる人も出てきて、どのように部下と接しようかと悩む人もいる。そこで360度フィードバックには、「他者に映る自分を認識してもらう」「自己の強みと改善すべき点について自己理解を深める」、さらに「自己理解を意識改革、具体的な行動変革につなげ、マネジメント力の向上を図る」という効果を期待しました。

施策実施上の重視したポイント、工夫点

ーー施策はどのような形で実施されたのですか?

CBASEの標準設問を拝見して、求める人材像や管理職像を盛り込めているかを確認し、結果そのまま使用しました。
実施は役員も含めて全階層で行っており、課長も役員も皆同じ設問です。経営層からは自ら「自分たちもぜひ行いたい」と言われました。役員同士でマネジメントを客観視したり、互いの実務内容の確認をしたいという意識からではないかと思います。

ーー運用するうえで気を付けたこと、意識されたことはありましたか?

これまで風土改革、風通し施策が十分ではなかったので、従業員には多少の抵抗感が出るかもしれないと考えていました。
部下が上司を評価するときには忖度してしまうのではないかという懸念がありました。実際に、実施初年度は個人が付けた内容が上司にそのまま伝わると思っている人もいたのです。当社では管理職のみを対象に実施しているので、一般従業員が360度フィードバックの結果を受け取ることがありません。
それもあってこうした誤解が生まれていました。実際は全体の平均点が伝わるだけですから、そのことを正確に周知するようにしました。結果、従業員も納得して本音ベースで答えてくれるようになっています。

ーー社内への説明や周知で工夫していることはありますか?

新しい施策を乱暴に取り入れてしまうと従業員の反発も起きるので、初年度は特に慎重に導入を行いました。
回答者への説明はイントラネットの掲示板にお知らせを掲載し、各工場の総務経由で周知を依頼。総務から部長、そして部下へ、という流れで伝えてもらいました。360度フィードバックは経営層の発案で始めており、経営層からも従業員がどう感じたかを調べて欲しいと依頼があり、初年度は実施後のアンケートを行いました。アンケート結果はPDCAの改善ポイントとして活用しています。

効果と今後の展開

ーー360度フィードバックでどのような効果がありましたか?

企業規模が大きくなると人事で各部署をフォローすることは大変になりますが、360度フィードバックがあることで部署の課題を自分たちで見つけられるようになり、組織および個人における改善のPDCAを回してもらえるようになっています。
実施後のアンケートで、管理職に「自己の行動変革に役立ちましたか」と聞いたところ72.5%が「役に立った」もしくは「とても役に立った」と回答しています。全般的に事務局が予想した以上の結果が出ていると感じます。
コメントを見ても
・口頭では言いにくいこともフリーコメントで書いてもらい、気づきが多かった
・フェイス トゥ フェイスのコミュニケーションの大切さを学んだ
・人を見る際にこれまでは主観的な視点のみで話をしており、今まで確証となるものがなかった。
・この調査でそれらを客観的に捉えることができ、確証につながった
・合っているか間違っているかではなく、人によって見方が違うことが理解できた
・人へのアプローチの仕方は一辺倒ではなく、工夫が必要と感じた
などの声があり、個々で新たな気づきが得られていると感じます。
また、回答者にもアンケートを行っており、
・すぐに効果を得られるものではないが、継続的に改良しながら実施して、人材マネジメントを進化させてほしい
・繰り返し行うことによって習慣付けしてほしい
など、今後に期待する声が聞かれています。

ーーサーベイのフィードバックはどのように活用しましたか?

これまで社内には、上司と部下が細かく会話して仕事を進めるといった文化はあまりありませんでした。
しかし、変化の激しい時代においては、このままのやり方では組織力が落ちる可能性もあります。これまで社内には、何かきっかけがないとコミュニケーションしにくいといった雰囲気もありましたが、この360度フィードバックが対話をする契機になっていると感じています。
また、このフィードバックは評価には反映させていませんが、目標設定の材料に使えることを意識した時期設定としています。個人の目標設定の時期と360度フィードバック後の上長面談の時期を同時期にすることで話した内容が連動するようにしています。
目標達成に向けて「この先どうしていくのか」という具体策を考える際に、360度フィードバックの結果を材料の一つとして使えるようにしました。

CBASE 360( ※旧スマレビ for 360°)について

ーーCBASEのサービスについて一言いただけますしょうか?

導入前の段階で良かった点は、社内で議論する際にたくさん資料を出してもらえたことです。
このサービスの良い点や注意点を資料にまとめていただき、そのまま活用する事ができました。サービスを使って良いと思った点は、管理サイトが充実していて、管理側で自由に設定変更ができる点です。管理サイトをフレキシブルに触るとことができ、インターフェイスも直観的で使いやすい。
中でもよく使っていた機能は、回答者選定をしていない人の一覧をリアルタイムに出すことです。それをリストにして各総務に送付し、「この人たちをフォローしてほしい」と依頼することができました。また、メール文面とメールの配信タイミングもこちらで編集できるので、少し回答率が低いと思ったら、文章をつくってすぐ配信することもできました。
もう一つは、組織を動かす時に必要なデータをすぐに出せることもメリットです。自分が使いたいときに、使えることは大変ありがたい。また、結果の納品も大変早いと感じました。今年は新たに360度フィードバックの使用方法の動画が加わり、従業員の理解も進みました。今まではマニュアルへの追加などで対応してきましたが、ログインして動画を見るほうが回答する側としても情報量が多く、わかりやすくてよかったと思います。

ーー今後の利用法などで考えられていることはありますか?

組織のあり方の理想は、こうしたツールがなくても、普段の会話の中で互いに指摘しあえる関係をつくることだと思います。
そこに向けて360度フィードバックによる、仕事の改善の習慣付けをぜひ行っていきたい。管理職に多様な意見を意識して仕事に取り組んでもらうと部下への接し方も変わってくるはずです。
実施2年目のアンケートで「昨年のフィードバックによって改善した点があれば教えてください」という質問を設けたところ、「仕事の中で意識して改善しました」というコメントが数多く寄せられました。
当社の従業員は真面目な人が多いのかもしれませんが、こうしたコメントが来ることが一番うれしかったですね。昨年はコロナ禍でフィードバックの指導もあまり行えていませんでしたので、今年はフィードバックにおける読み解きのガイドもしっかり行っていきたいと考えています。

360度フィードバックの導入を検討されている方に一言

ーーこれから360度フィードバックの導入を検討されている企業担当者に、アドバイスをいただけますか?

360度フィードバックでは従来の従業員満足度調査ではわからなかった組織の一面が見えてきます。私たちは、従業員満足度調査は組織や企業全体の動向を見る調査、360度フィードバックはそれよりも一段階視点を落として、各職場のマネジメント層の現状と課題をみる調査と別に位置付けて活用しています。360度フィードバックはまだ新しい取り組みといえるのかもしれませんが、一度行ってみると組織の新たな課題や新しい一面が見えてきます。特にこういった新しい施策は、ある程度社歴があり、従業員がさまざまな経験を積んでいる企業で導入すると、より説得力を増すのかもしれません。また、360度フィードバックは、実施すること自体が従業員のエンゲージメント向上につながる施策だと感じます。要するに、従業員が「自分たちの声が上に届いているんだ」という満足度につながるのです。その点では組織風土改革の一手段としても実に良い取り組みだと思っています。

マクセルホールディングス株式会社
事業内容:エネルギー、産業用部材料および電器・コンシューマ製品の製造・販売
設立:1960年9月
株式:東証一部上場
従業員数:5,108名
(2020年3月31日現在)

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