導入事例株式会社JCG様

自ら低い目標の申告ができる目標管理制度では使えない 「他者評価こそフェア」と360度評価を人事評価に採用

株式会社JCG

代表取締役CEO 松本順一様

スマレビ for 360°
  • 評価制度構築
  • 目標管理

360度フィードバック実施の背景

なぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

360度評価のシステムを導入しようと考えた理由は三つあります。一つ目はボリューム的な問題です。アナログでの管理は人数的に30人くらいが限界でした。二つ目は設問の精度、質の問題です。設問についてはやはりシーベースさんで十分研究されているので、そちらの設問を使うことにしました。三つ目は人事評価への活用です。360度評価を人事評価にまで踏み込んで活用したいと考えました。この三点について検討し、シーベースさんのシステムに決定しました。

施策実施、サービス導入のねらい

施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?

私は360度評価を人事評価に活用したいと考えていました。その理由は一般に評価に用いられる目標管理制度(MBO)に問題があると思ったからです。目標管理制度では、評価を得るためにやるべきことよりもはるかに低い目標を申告したり、後から辻褄合わせをしたりすることができます。目標管理制度は個人の目線を低く設定してしまうツールになっていると感じます。その点、360度評価は軸が他人の評価になりますから、自分で操作することはできません。360度評価を人事評価に用いることにより、健全な評価が行えると考えて採用しました。

施策実施上の重視したポイント、工夫点

運用するうえで気を付けたこと、意識されたことはありましたか?

意識したのは従業員に「360度評価の結果を人事評価に使います」と明言してから実施することです。事前に360度評価の意義を説明して、従業員に納得してもらったうえで実施しました。結果のフィードバックは責任者に任せていますが、そこでの1on1でのフィードバックを必須とし、対話をしながら丁寧に説明を行います。また、調査結果は私が全員の評価を見ながら、閾値に届かなかった人は本当にその評価でいいのかを見直したうえで、評価に反映させています。
実際に360度評価を実施してみて、調査結果をそのまま鵜呑みにはしませんでしたが、やはりリーダーシップがあり周囲に支持・信頼されている人たちはスコアが高く出やすく、そうでない人はスコアが低く出ていたと感じました。昇進でも各部門のマネジャーに「誰を昇進させるか」を相談すると、360度評価で評価が高かった人が部として推薦されるケースが多くなっています。ときに例外もありますが、そんなにデータとズレがないと感じます。

効果と今後の展開

360度フィードバックを人事評価にどのように活用されていますか?

360度評価を実施してみておもしろく感じたのは、個々の頑張りや周囲への配慮、互いの関係性といったものが、スコアとして出てくるところです。明確にスコアとして出るので、個人での比較や時系列での比較ができてしまいます。例えば、前回と今回を比較して変化のあった点は何だったか。悪かった点をよくするには他の人たちから信頼されないといけないので、そこではスコアを上げるために頑張ることになります。私にとって安心できる人材は自分の意識と他者評価が近い人材です。そこでバランスのよい人は信用できると感じます。このようにスコアで変化が見られる点において、360度評価は大変興味深い指標だと思います。

また、社会人は企業内においてもサービス業といった側面がありますから、どれだけ他者に信用されて重要な仕事を任され、そこで結果を出すかということが重要になります。上司、部下、同僚、他部門のパートナーなどからどれだけ評価されているかという点が、究極的にもっとも結果として見えるところだと思うのです。どんなに能力が高くても信用されない人は社内では評価されない。そのような状態は企業においてはごく正当な状態ではないかと思います。

今後の展開として計画されていることはありますか?

社内でサーベイに自社独自の質問を入れたいという声が出ています。JCGとしてビジョンやバリューを設定している中で「それに紐づいた前向きな意見が出せているか」「企業カルチャーに合った考え方や行動ができているか」といった評価軸を入れたいと話しているところです。また、現状では評価以外で活用する予定はありませんが、ハラスメントなどの予防ツールとしても活用できればいいですね。今後は評価以外での活用についても考えていきたいと思います。

CBASEのスマレビについて

CBASEのサービスについて一言いただけますしょうか?

全般的に大変よいサービスだと思います。360度評価では特にモバイルでの入力が非常にやりやすかった。スマートフォン入力が非常に快適で、途中で止めてもすぐに画面に戻れるなど使いやすさを感じました。あえて要望をいえば、一つあるのは評価者の決定支援です。前回も仕事上つながりが薄い人を評価者に選んでしまうなど、どうしてもエラーが出ていました。そこで人のネットワークを考えるうえで効果的に指定できる仕組みがあるといいと思います。上位プランにはそうした支援もあるそうですが、今のプランでも使えるといいですね。また、従業員数が増えると人と人のつながりに関する情報を集めることも大変になるので、スラックやチャットワークでのやり取りを評価者の決定材料にできるようになるとよいと思います。

また、360度評価の実施時には毎回データベースを作り変えているので、他のツールとの連携ができるとよいと感じています。弊社はG Suiteというグーグルの社員管理サービスを使っていますが、このデータベースにインポートできたり、組織表を連動できたりと、もっとデータ連携が取れるとより使いやすくなるのでないかと思います。

360度フィードバックの導入を検討されている方に一言

これから360度フィードバックの導入を検討されている企業担当者に、アドバイスをいただけますか?

私は、仕事をスムーズに行ううえで、他の人がその人をどのように思っているかという要素を無視した評価はあまり意味がないと考えています。
目標管理制度(MBO)で立てる個人目標は低くなりがちですし、個人での努力も人に伝わらないのであれば意味がありません。それよりも、360度評価でしっかりと社内で評価を受ける対象になることで、普段の行動が自分の評価に直接つながるという実感を従業員に持ってもらうことのほうが意味があると思います。他者評価では全社平均との差分も露骨にわかってしまいますし、ごまかしも効きません。今回の360度評価の導入で、私としては自分の考えに合った評価に近づいたかなと思っています。
また、当社では360度評価を人事評価に活用していますが、私は「360度評価をそのまま評価に使うのは危険」という指摘も十分に理解しています。しかし、評価を検証しても実際に例外的なケースは非常に少ない。1%のエラーが出るからといって残りの99%も否定するというのでは意味がありません。それならば、その1%を見つけるオペレーションを行うことにより、360度評価をそのまま人事評価に反映するやり方も機能すると考えています。
360度フィードバックは人事評価に耐えうるツールであることを実感することができました。ただ、これからも360度評価を評価に活用する中で、自社に合うやり方を見つけて行く必要があると思います。

株式会社JCG

事業内容:ゲーミング大会サイト「JCG」の運営管理、eスポーツ大会企画・運営、eスポーツを通じたマーケティング活動の企画支援
設立:2017年
従業員数:約71名