導入事例

株式会社グロービス様

理念やグロービス・ウェイの浸透・体現を目的に、
ギフトの発想で「360度フィードバック」を実施

株式会社グロービス

経営管理本部 人事・総務チーム ディレクター 良田 智雄様
経営管理本部 人事・総務チーム エキスパート・マネジャー 杉野 美苗様

  • 理念浸透
  • 人材育成

360度フィードバック実施の背景

なぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

良田:360度フィードバックを最初に導入したのは、20年以上前の話です。まだ、360度フィードバックのサービスもなかったので、アンケートソフトを使用して実施していました。評価の客観性確保の観点から、360度フィードバックを導入し、グロービス・ウェイの浸透・体現と業務遂行能力の発揮を評価するために活用していました。当時は、グロービス・ウェイに即した行動を問う設問や、リーダーシップの発揮、業務遂行に必要な能力の発揮など、40問程度の評価項目で運用をしていました。会社も成長を遂げ、社員数も大幅に増加していく中、360度フィードバックの運用にもいろいろ課題が出てきました。特に、業務遂行能力について、360度フィードバックで評価できるのか?という疑問を持つ声が年々増えてきました。人事制度で大事なのは妥当性と納得感です。評価制度が適切に運用されるためにも、社員の声を真摯に受け止めながら、360度フィードバックの評価制度おける位置づけを、変更することにしました。

現在は、グロービス・ウェイの浸透・体現、能力開発ツール(気づきの手段)として、360度フィードバックの活用を続けています。ウェイに即した行動がどれだけできるようになったのか周囲からフィードバックをもらうこと自体は非常に貴重な機会であると考えています。また360度フィードバックは、チームメンバーや組織からの多面的な評価ですので、評価そのものは、組織からの信頼と考えています。よって、管理職への昇格を検討する際の参考資料としても使っています。

施策実施、サービス導入のねらい

施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?

良田:一言で言えば、グロービス・ウェイの浸透・体現です。グロービス・ウェイとは経営理念や事業指針、行動指針、ビジネスウェイ、リーダーウェイ、ダイバシティ―ウェイ等企業としての存在意義や大切にしている価値観をまとめた基本理念・指針です。人事としてグロービス・ウェイの考え方を内省できる機会を様々な場面で作っていますが、360度フィードバックの実施もその一つの機会と考えています。

施策実施上の重視したポイント、工夫点

360度フィードバックの対象者はどなたですか。

良田:正社員、契約社員、派遣スタッフなど、オールスタッフです。対象者は600名ぐらいに及びます。

実施するうえで気を付けたこと、意識されたことはありましたか?

良田:毎年、360度フィードバックを実施していくにあたり、説明会を開催しています。必ず言っているのは、「ギフトの発想で実施してほしい」ということです。周りの人が建設的なフィードバックをすることで、評価を受けた人が自己認識と他者認識のギャップを知り、前向きな気付きを得て、より成長していくきっかけとする。そのための贈り物をしているという発想です。そういう観点で、一人ひとりに対してしっかりと評価し、点数を付けてほしいと伝えています。統計学上ありえないようなスコアの付け方をしていたり、個人攻撃のようなコメントがあったりする場合、それらは、ギフトにはならないので人事側でチェックをして全て省くことを公言しています。ギフトを受け取る相手の成長を願い、ポジティブなメッセージが伝えるような気持ちを持って評価するということが大事だと考えています。

結果をどう活用されていますか。

良田:グロービス・ウェイの浸透・体現のための気づきを与えるという側面の他に、管理職への昇格時などの参考資料としても使っています。

現在の360度フィードバックの設問シートには、我々が大事にしている理念やグロービス・ウェイで定めている行動規範を含めています。つまり、会社が大事にしている考えや行動を普段から意識して実践しているかを周りから評価されることになります。それぞれの役職要件の中には理念やグロービス・ウェイの体現についての項目がありますから、そういった要件が満たされているかを判断する指標の一つとして使われています。

より実施効果を増すために工夫されていることはありますか?

良田:対象者には、360度フィードバックの結果を先ずはしっかり自分なりに受けとめ、振り返ることを求めています。その上で、上長と必ず面談を実施することにしています。結果を通じて上長と対話することで、この1年間でどのように自分を磨いていくのか、具体的なイメージを持ってもらい、自身の行動や姿勢の改善にコミットしてもらっています。弊社はMBO制度を導入していますので、4半期に1度のMBO面談等で定期的にフォローすることで行動の定着へとつなげていけるようにしています。

360度フィードバックはツールです。そもそもの目的は、会社が大事にしている理念とグロービス・ウェイが社員一人ひとりの考え、価値観の中に浸透していくことです。そのための一つの仕組みとして、360度フィードバックを運用しています。ですから、360度フィードバックが適切に運用されることそのものが、弊社で働く人々に会社の理念や考えが広まり、深まっていくことにつながるようにと思いながら実施しています。

効果と今後の展開

今後の展開として計画されていることはありますか?

良田:基本的には、360度フィードバックの意義や位置付け、やり方を変えることはないと思います。これ自体は重要な営みなので、今後も続けていきたいです。一方で社員も増えて来て、適切に評価してくれる人を選ぶことや、昨今だとリモートワークが定常化し、社員ど同士のリアルな接点が減っていく中で、評価する難易度があがってきています。評価者を選んでいくプロセスや、設問の表現をもう少しわかりやすく、一人ひとりが考えやすいものに変えていかないといけないと思っています。

CBASE 360( ※旧スマレビ for 360°)について

CBASEのサービスについて一言いただけますでしょうか?

良田:幣社としては、長く360度フィードバックを運用してきていますので、弊社独自の実施したいプロセスが、効率的でわかりやすく実施できるよう工夫してきました。ですので、サービスを選定する際には、例えば、対象者が評価者を選び、それを上長が承認するといったプロセスや、結果レポートをどんな風に見せて行くか等、弊社独自のやり方をそのまま実現できるサービス内容か?が、我々にとっては大事でした。そうしたなかで、CBASEさんのサービスはある程度のレベルまでできそうだという手応えがありました。実際に、導入してみて、私自身は、使い勝手は良いと思っています。特に、回答時の画面は、過去利用した別の仕組みと比べるとはるかに使いやすいです。ベースにある機能も、アウトプットの内容や見え方、見せ方もわかりやすいのではないでしょうか。特に、ここ数年は少しずつバージョンアップを重ねていて、どんどん良くなっている印象があります。

杉野:直観的に使いやすいです。仕組みを他社から切り替えた時にも「使いやすくなったね」という声が社員から上がって来ていました。使いやすさ、見やすさは良いと思っています。

CBASEに今後さらに期待されることはありますか。

良田:弊社の基盤となる人事システムと連携できるような、サービスシステムになっていただけると、今後も長くお付き合いできるのではと思っています。

杉野:人事情報とセットなので人事システムと連携できることを期待しています。また、これは人事としての意見ですが、セキュリティの問題もあるのでしょうが、ある程度毎年行っているところは、CBASEさんでデータを蓄積してもらえたら嬉しいです。

360度フィードバックの導入を検討されている方に一言

これから360度フィードバックの導入を検討されている企業担当者に、アドバイスをいただけますか?

良田:まずは、目的を明らかにすることです。その上で目的を達成するための手段として360度フィードバックの仕組み作りをしないと、恐らく運用が上手くいかないと思います。やはり、重要なことは目的を明確に持つことです。

また、360度フィードバックを実施する人たちにどこまで、目的を理解してもらうかもポイントになってきます。その両方が上手くいかないと、むしろマイナスの効果が出てしまったり、目的にそれた効果を生んでしまうので留意する必要があります。その上で、ツールはできるだけシンプルでわかりやすいものを使うことをお勧めします。

杉野:私自身、360度フィードバックはギフトだということに気をつけて運用しています。それでも、「受け入れづらい」という声を聞くこともあります。だからこそ、フィードバックする人に、何のために行うのかという目的をしっかり伝えることが大事であると思います。

株式会社グロービス
事業内容:ビジネススクール運営、人材育成・組織開発、経営ノウハウの出版・発信
設立:1992年8月
従業員数:約700名

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