導入事例

医療法人社団永生会様

ドクターの評価そしてチーム医療を推進するために
360度フィードバックを導入

医療法人社団永生会

法人本部人事部 部長 増田 欣是様
法人本部経営企画部 課長 清水 洋邦様
法人本部経営企画部 時岡 千寿様

  • 評価制度
  • エンゲージメント向上

360度フィードバック実施の背景

ーなぜ360度フィードバックを導入したのでしょうか?

増田:当法人では、2019年度に人事制度改革を本格化させました。まず2019年度は一般スタッフの人事考課の改定を行い、21年度から医師の面談もスタートしました。医師の面談は医師と法人がエンゲージメントを高めるために行うものですが、面談の中の一つの要素として360度評価のフィードバックを行っています

医師は様々な職種(看護師やコメディカル等)で構成されるチーム医療のリーダーとして、医療の質を高めるためにスタッフのマネジメントも担います。今後さらに良いリーダーになるべく、自己評価と他者評価のGAPを客観的に認識することはとても大切なことだと思います

清水:法的な話で考えますと、基本的には各医療スタッフは医師の指示のもとで医療に携わることになります。患者様に対してどのようにケアをするか、その起点であり取りまとめ役でもある医師は非常に重要で、病院全体の医療の質にも密接に関係してきます。近年は、医療に期待されるものや、病院に求められる診療報酬上の要件も厳しくなってきています。医師一人で全てに対応することは難しく、より良い医療を提供するためにもチームで取り組む必要があります。医師も主体としてチームを盛り上げていくことが重要になりますが、様々な職種のスタッフとの協力を目指すにあたり、360度評価は非常に有効だと考えました

医師の考課を導入する上で、他に大切にされていることは何でしょうか?

増田:「考課を導入」という考え方ではなく、「医師と法人でエンゲージメントを高めるためにコミュニケーションを今まで以上にとりましょう」という目的で面談を実施しています。ですから、1年間の振り返りとともに、医師から病院に対する提案や、医師のキャリアプランなども共有し、「今後どうしたらさらに地域に貢献できる病院になるのか」等を建設的に話し合う場にしています。法人と個人が対等な関係で、互いの成長に貢献し合う関係を目指しています。

施策実施、サービス導入のねらい

施策の実施にはどのような期待があったのでしょうか?

清水:当法人では以前からチーム医療を意識して取り組んできました。法人からも、医師に対してチーム意識やスタッフとの良好な関係構築の重要性を伝えてきました。並行して、浸透を図るために10年以上前からスタッフの意見を聞くアンケートも行っていました。ただ、病院によって実施状況が異なっており、増田が中心となって、この一年、二年で改めて取りまとめてきたという状況です。

法人全体で常勤医師が80名前後となり、紙のアンケートで360度フィードバックを行うのは現実的ではありません。そこで、CBASEさんのサービスを活用させていただくことにしました。集計が簡単ですし、客観視もできます。加えてシステムを活用することで、守秘の問題もクリアできると考えました。

導入してみての反応はいかがでしたでしょうか?

増田:これまで面談の機会があまりなかったので、今回の面談は病院に対する医師の想いを聞くことができたと同時に、病院の考えも医師に伝えることができ、とても有意義な場となりました。経営層からも360度評価の取り組みを評価していただき、毎年続けていくことになっています。医師からも、「自分自身では、気付いていなかったことに気付けた。良い機会になった。」というコメントがありました。また、面談後の様子を聞いた時にも、「面談で言われたことが頭の中に残っているので、意識して行動しています」という医師もいました。皆さん気にしてくれているようで、面談を行った効果が出ていると感じています。客観的なデータをフィードバックするというアプローチは効果的だと感じました。

施策実施上の重視したポイント、工夫点

ー実施する上で気を付けたこと、意識されたことはありましたか?

増田:一つ目のポイントは、当法人独自の質問項目を設定したことです。法人が確認したい点に質問項目を集約することでアンケートの簡素化ができました。

二つ目のポイントは、トップマネージャーが面談の場に参加していることです。理事長、理事長特別補佐、院長、診療部長が参加することにより、医師本人と法人のエンゲージメントが高まりましたし、緊急性の高い課題はすぐに対応することができました。

三つ目のポイントは、360度フィードバックの中のフリーコメント欄、特に強みや啓発ポイントの内容を、細心の注意を払って丁寧に医師に説明したことです。フリーコメント欄は、誰がどういう思いで書いているのか分かりませんし、文章の前後の状況がわからない状態で書かれていたりします。組織の意図を理解して書いているのかどうかも分かりません。結果だけを本人に渡してしまうと誤解が生まれてしまうので、伝える内容には細心の注意を払うことが大事だと思います。

実際どんな反応がありましたか?

清水:メディア等の記事を見ても、医師の人事考課については、「やった方が良い」という意見がある一方、「医師に限らず、人事考課そのものを撤廃しては」という意見もあり、医療機関により考え方や実施状況もまちまちのようです。当法人においては、まずは各病院の院長に対して、理事長の意思として面談の機会を設けるとともに、360度フィードバックを行うことを説明し、支持をいただきました。当初、医師の中には、病院から評価を受けるといった経験がなく、不安を感じたり困惑された方も居られたかと思いますが、対話の機会であることを伝えて行ったことで、良好な反応だったように思われます。

効果と今後の展開

360度フィードバックでどのような効果がありましたか?

増田:医師が行動を意識してくれるようになったことです。チーム作りに良い効果が出ていると思います。

清水:医師が面談を通じて、自分は何を期待されていて、何を提供すれば良いのか、ということを共有する機会を持てたことが大きいです。対話の機会を一回仕組みとして作ることで、病院と医師の間に一本の道を作る事ができました。今後はこの道を使って、病院側のやりたいことを伝えたり、さらに「もっと良くしていくためにこうしましょう」といった話もやりとりできるようになればと思います。今回はそのための地ならしができたのではないかと思っています。

CBASE 360( ※旧スマレビ for 360°)について

CBASEのサービスについて一言いただけますか。

増田:医師の目線でも人事の目線でも、とても使いやすかったと思います。

時岡:直観的に操作できたという印象です。それに、フィードバックのPDFも非常に見やすかったです。

360度フィードバックの導入を検討されている方に一言

これから360度フィードバックの導入を検討されている医療機関の担当者の方に、アドバイスをいただけますか?

清水:導入に際しては、お金や時間、労力、体制等が必要だと思います。法人が、それだけのエネルギーをかけてもやってみよう、という思いを持って取り組めるかがポイントになってくると思います。病院によって目的、やり方、質問事項等は異なるかと思いますが、やってよかったとなる病院は多いのではないでしょうか。

時岡:初めて導入される際には、目的の共有がどこまでできるかが大事ではないでしょうか。目的が説明できないと実際に現場の方にお願いしにくいですし、回答も集まりません。当法人では、「今後も毎年360度フィードバックを続けていくことで、チーム医療としてより良いサービスを提供していきたい」という思いを人事部が丁寧に説明してきたことで、現場の皆様も前向きに取り組んでいただけたように思います

増田:チーム医療の実践に向けて、360度評価は重要な取り組みになると思います。ぜひ、お勧めします。まずは、「何のために360度フィードバックをするのか」という目的・趣旨を明確にし、それを皆で共有したうえで実施することが重要です。そうでないとハレーションが起きてしまいます。我々もそこにかなり時間を割きました。

医療法人社団永生会
事業内容:病院・診療所・介護老人保健施設・認知症グループホーム・訪問看護ステーション・居宅介護支援事業所などの施設運営
創設:1973年4月

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