2017.09.13360度評価

人事評価制度の再構築と360度評価の導入のポイントとは

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会社を継続して発展させていくためには、人事制度をしっかりと整備することが重要であり、中でも人事評価制度は、経営インフラの基盤ともなる重要な制度です。しっかりとした人事評価制度が無ければ、社員のモチベーションの低下や離職率の上昇につながり、会社の健全な発展は見込みにくくなります。また、年功序列の考え方のみで人事評価を行っていくと、若い人材をつなぎとめにくくなるばかりではなく、賃金コストの負担も大きくなります。

そこで、客観的な評価システムとして、昨今、注目を集めているのが「360度評価」です。今回は、人事評価制度の見直しのポイントと、「360度評価」を導入する場合の注意点や導入の意味などを活用例と合わせて紹介します。

人事評価制度の見直しポイント

社員のモチベーションを向上させ、会社の発展につなげるために、人事評価制度を見直す際のポイントを挙げていきます。

【1】年功序列を廃止する

6631-00074-2人事評価制度を改革する場合は、まず年功序列の考え方を捨てる覚悟が必要です。年功序列をベースにした制度は若い社員のやる気をそぐだけでなく、高年齢の社員の間にも「やってもやらなくても同じだ」という悪い風潮を生じさせる原因になります。

【2】客観的な評価基準を設定する

人事評価では、評価の基準を明確に設定することも大切です。具体的で明確な基準が無ければ、正確に人材を評価することができません。評価の基準が曖昧なまま改革を進めた場合、評価にバラつきが生じやすいため、不公平さを感じる社員のモチベーションの低下につながりやすいです。

【3】考課者を教育する

6631-00074-3人を「評価」するためには、知識やスキルが必要です。人事評価制度を改善していくためには、人材を評価する考課者も訓練を積む必要があります。
考課者は、個人的な人間関係や感情に左右された評価を下してはならず、また、事実をもとに、適切な評価をすることが求められます。

【4】社員の理解を得る

社員に対してブラックボックスになっているような人事評価制度では、改革をする意味が薄れていまいます。事前にしっかりと人事評価制度の再構築の目的と新しい評価方法を説明し、社員に周知を図ることが必要です。社員の理解を得ることで、人材の育成に効果のある評価制度を構築できます。

人事評価に360度評価を導入するときの注意点

6631-00074-4人事制度を再構築するための有効な方法として、「360度評価」が注目されています。360度評価とは、上司からだけでなく同僚、部下、取引先など、仕事で関係するさまざまな人から評価を受ける方法で、「多面評価」とも呼ばれています。日本でも、人事評価制度の改革を目指して、360度評価を導入する企業が増えました。

360度評価は、客観的な評価を集めるに効果的な方法です。しかし、管理職以外も評価者になり、人事評価の特別な訓練を受けていないことから、曖昧な評価が行われる場合もあります。また、上司や同僚に対して、低い評価をつけにくく、適切な評価が行われないことも危惧される点です。そのため、360度評価は被評価者に行動改革を促すために活用し、人事評価には利用しない企業もみられます。

360度評価を導入して人事評価にも活用していく場合には、導入の目的を説明するとともに、評価者に対して客観的な評価を下すように、説明や教育を行っていくことが大切です。

人事評価制度に360度評価を導入することは、旧態依然とした人事制度を改革するために非常に効果的な手法です。意義や効果を周知することにより、360度評価のポジティブな効果が現れやすくなることが期待できます。

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人事考課に360度評価を導入する意味

名称未設定-1人事考課に360度評価を導入することが注目されているのは、管理職のあり方が変わってきていることも理由のひとつです。かつての管理職はマネージメント業務に専念していたため、部下の指導や管理に注力できる環境でした。しかし、昨今ではプレイングマネージャーが増加し、自分の担当業務を持ちながら、マネージメントも行うことが当たり前に変わってきています。そのため、部下とコミュニケーションをとる頻度が低くなり、上司は部下の日頃の姿をさほど把握せず、一部分だけを見て評価を行うことになりがちです。そのため、例えば、営業成績などの数字だけを見て評価するケースなどでは、後輩の指導を積極的に担う部下から不満を持たれるといったことが起こります。

こうした理由からも、人事考課に360度評価を導入するメリットとして、「納得性が高い評価ができる」点が挙げられます。複数の社員から評価を受ける360度評価では、1人の上司から評価された場合と比べ、上司が気づかない一面も含めて評価が行われ、被評価者が客観的で多角的な意見を獲得しやすくなります。被評価者が評価に対して納得しやすいため、自己の改善点を受け入れやすくなります。

また、360度評価を行う効果は、評価者にもあります。例えば、今まで人事に関わることが無かった社員に対しても他者の評価を任せることにより、責任意識が向上します。主体的な考えを持って仕事に取り組む社員が増加すれば、企業全体のレベルアップにもつながることでしょう。

さらに、社員同士がお互いを評価することにより、日常業務においても他者の行動を観察する意識が生まれるため、組織内コミュニケーションの活性化の効果も期待できます。

人事考課に360度評価を導入した活用例

人事評価制度に360度評価を導入する効果的な活用例をご紹介します。

【1】チームワークを高める

raise-teamwork個人の評価を重んじるあまり、他者への情報共有を意図的に怠っている社員が部署内にいたとしても、上司による一面的な観察では特定することが困難です。そのような場合でも、多数の評価者から意見を収集する360度評価を取り入れることにより、業務怠慢が目立つ社員を容易に発見することができます。

また、360度評価を行うためには、お互いの仕事内容を把握している必要があります。仕事内容を把握するためには必然的にコミュニケーションが生まれるため、チームワークが高まります。

【2】役員・管理職などを決定するための参考にする

役員や管理職の決定に際して、日常業務に関わることの少ない社長などが独断で決めた場合、適切とは言えない人選をする可能性があります。

そこで、360度評価のデータを参考にすれば、周囲に信頼されている社員を客観的に選出することが可能です。人望のある社員を役員に配置することができれば、組織の統制につながり、業績にも良い影響があることが期待できます。

【3】人事異動の参考にする

人材それぞれが持つ、隠れた「向き・不向き」を見つけ出す際にも、360度評価の実施は効果的です。多角的な意見を結集することにより、上司はもちろん、被評価者本人も気づかなかった適性を発見できます。360度評価の結果に基づいて人事異動を行うことにより、より合理的に業務効率の向上を図ることが可能です。

おわりに

会社を発展させる原動力は社員1人1人の活力ですので、社員のモチベーションが上がるような人事評価制度を構築していくことが大切です。360度評価を導入し、人事考課と連動させることにより、能力の開発や人事配置などに活用できます。

ただし、評価者となる社員が360度評価を導入する目的や具体的な効果を理解していない場合、有益なデータは獲得しにくくなります。360度評価を導入する際には、概要や意義などに関する事前説明が必要です。また、360度評価により実際的な成果が出た場合には事例を公表し、社内で共有することで理解が深まれば、社員がより積極的に評価に取り組むことが期待できます。

人事考課は、社員のモチベーションを引き出し、業務効率上昇へつなげるための大切なプロセスです。より効果的にコミュニケーション活性化や人材配置を行うためにも、360度評価を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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人事評価ナビ編集部

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