2017.09.21360度評価

「セックスフレンドにならない?」 個人的な誘いが企業の破滅を招く

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ある日、入社して間もない社員からこんな相談が来たら、あなたならどうするだろうか。

「上司がセックスフレンドにならないかと迫ってくるんです、しかも会社のチャットで。チャットのスクリーンショットを添付します。これがまぎれもない証拠です!」

確かに、言い逃れできない、明白な証拠が目の前にある。しかし、その問題の上司が、成績的にとても優秀な人材だったら、どう判断すべきだろうか。

このジレンマに陥ったのは、2009年に始動し、今では世界70カ国で展開し2015年には売り上げが100億ドルを超えたといわれる「Uber」の担当者。

花形ベンチャー企業の創始者の一人でもある、CEOのカラニック氏が、役員や投資者達の“つよーいつよーい”要望で職を辞したのは、日本でも大きなニュースになった。カラニック氏を取り巻くトラブルは多種多様で、例えばこのような具合だ。

・反トランプデモ参加者を怒らせて#DeleteUberキャンペーンを起こされる
・グーグルから技術を盗用したと訴えられる
・カラニック氏が防犯カメラの前で自社ドライバーに暴言を吐く
・ライバル社とUber社両方に登録しているドライバーをスパイし、あまつさえ、そのドライバーに勧誘スパムを送る
・払うべき給与をちゃんと払っていないと従業員に訴えられる
・重役がUberドライバーにレイプされた被害者の個人情報を勝手に取得する
・役員の一人が「セクハラ」問題に関する重要な会議中に女性差別的なジョークを飛ばす

主だった出来事を並べてみたが、どこからどう見ても完全にアウト。アメリカだろうが日本だろうが、CEOが辞めるしかない状況に追い込まれていた。その発端は、一人の元社員が書いたブログだった。それが冒頭の、セクハラの訴えなのだ。

優秀な上司による、部下に対するセクハラ100%の要求は、ことの是非を判断する担当者や関係者を悩ませた。そして彼らが打った手はまさに悪手と呼ばれるものだった。

セクハラだと認めつつ「彼は優秀だから」と、訴えてきた社員を別部署に配属したのである。

結局、セクハラを受けた元女性社員は会社を辞め、その体験談をブログにアップし、それが終わりの始まりとなってしまった。

https://www.susanjfowler.com/blog/2017/2/19/reflecting-on-one-very-strange-year-at-uber

このブログにスポットライトが当たる過程で、付随して上記のような出来事が次々とあぶり出され、案の定一つ一つ炎上していくことになる。

SNSで全世界に配信できるツールがあるこのご時世に、世界的な知名度と話題性を誇る花型のベンチャー企業の人事が、こうなる事をなぜ予見出来なかったのか。

自分たちはその“ツール”の恩恵を最大限に受けて成長しておきながら、結果そのツールに引っかかってしまった顛末は、アメリカでも大きな驚きとして受け止められている。

セクシャルな問題は、洋の東西を問わず内々で処理をしたがるものだ。しかし、被害者が納得しない限り、容易に外へとこぼれ、かつ人の目を惹く性質のものであることは、古今東西変わらない。

ヒトの感情に期待して「穏便に済ませる」ことのリスクが、人事担当者の頭と胃を悩ませ続けていると言えるだろう。

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人事評価ナビ編集部

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