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学習する組織とは?変化に強い組織を作ろう!

2021.07.20 その他

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学習する組織とは何だろうか」
学習する組織を実践してみたいが、その前に学習する組織とは何かを知りたい」と気になっていませんか。
学習する組織とは、マサチューセッツ工科大学の経営大学院のピーター・M・センゲが提唱した理論です。
これまでの経営者が「管理する組織」から組織全員が「学習する組織」への変化の重要性について学習する組織では語られています。
この記事を読めば、変化する組織について理解することができ、自社で実践するかどうかを判断することができます。
学習する組織とは何かについて知りたい方はぜひ、最後まで読んでいって下さいね。

学習する組織とは?

学習する組織とはピーター・M・センゲが提唱した組織の概念です。
ピーター・M・センゲの学習する組織においては、これから生き残る組織は組織内においてあらゆる立場の人たちが意思決定や学習する方法を引き出せる組織だと考えられています。
また、学習する組織においては変化が激しい時代に対応するためにはこれまでのように経営のトップが企業がこれからどうすればよいのかを考えて命令に従わせるだけでは組織運営は難しいとも考えられています。

参考:ピーター・M・センゲ(2011)『学習する組織 システム思考で未来を創造する』翻訳小田理一郎・枝廣淳子・中小路佳代子 P35

つまり、インターネットのなどのテクノロジーの加速化でビジネススピードが加速化しており、経営者だけが戦略を考えるために学ぶだけではなく従業員も仕事に関する重要なことを学んでいく必要性があるということです。

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学習する組織を支える3つの柱

学習する組織は複雑化した経営環境に適応するために学習し、進化し続ける組織のことを指します。

学習する組織となっていくために組織は3つの力を身に着ける必要性があります。
参考:ピーター・M・センゲ(2011)『学習する組織 システム思考で未来を創造する』翻訳小田理一郎・枝廣淳子・中小路佳代子 P23
学習する組織に変化していくために重要な3つの柱として、以下があります。
・志の育成
・内省的な会話の展開
・複雑性の理解
それぞれについて解説します。

志の育成

志の育成は自律的に仕事を進めるための力のことを指します。
後に解説する自己マスタリーと共有ビジョンが志の育成に当てはまります。
志の育成は社員個人と会社組織が自分たちが心から望むことを描いて実現させようとする意志と力のことを指しています。
自己マスタリーは社員個人の志を指しており、共有ビジョンはチームでの志を指しています。

内省的な会話の展開

内省的な会話の展開では自分たち自身の思考についてしっかりと考え抜く・話し合い検証するということが重要です。
内省的な会話の展開は後に解説するメンタルモデルが該当します。
内省的な会話をしっかりと行い、思い込みを排除して「これが正解だ」と言える選択肢を選べるようになることが重要です。

複雑性の理解

複雑性の理解とは多様なつながりで出来ている仕組み・システムの全体とその背景で作用しているものが何かを理解することを指します。
次で解説するシステム思考が複雑性の理解に該当します。
システム思考においては目の前で起こっている現象がどこに起因しているのかを根本から考えることが重要です。

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学習する組織の5つのディシプリン

学習する組織においては重要な5つのディシプリンが示されており、5つのディシプリンが実践すべき理論であるとされています。

参考:ピーター・M・センゲ(2011)『学習する組織 システム思考で未来を創造する』翻訳小田理一郎・枝廣淳子・中小路佳代子 P195-P316
学習する組織には、以下の5つのディシプリンがあります。
・システム思考
・自己マスタリー
・メンタルモデル
・共有ビジョン
・チーム学習
それぞれについて解説します。

システム思考

システム思考において重要視されるのは目の前で起こっている問題の根本的な対処法を考え抜くことです。
ある問題はもっと他の根深い問題を抱えているためです。
例えば、人手不足で人を採用しようとしますが、採用難の状況にあるので採用基準を下げて焦って人材を採用します。
採用基準を下回った人材なので早期離職を起こしてしまいます。
そして人を採用しているにも関わらず辞めていくばかりなので一向に人手不足は変わらないという悪循環に陥ります。
上記のような状態を避けるために起こすべき行動を認識することが重要です。

自己マスタリー

自己マスタリーは社員個人がどのようになりたいのかを思い描く力です。
社員個人が仕事を通してどう成長したいのか、どうなりたいのかを考えて学習することが重要です。
社員個人がなりたい姿を目指しつつ、現実で及んでいない部分をカバーするために継続的に学習をしてなりたい姿を目指すことが自己マスタリーです。

メンタルモデル

メンタルモデルは組織や社員個人が持っている潜在的な固定イメージのことを指します。
本人の無意識下で行われる行動があり、本人も認識していないうちにイメージに沿って行動していると言われています。
個人の強固な思い込みを強く認識して変化・改善させることによって組織改革などが進みやすくなります。

共有ビジョン

共有ビジョンとは会社組織における個人が保有しているイメージのことを指します。

社員個人が自分ごとだと捉えてビジョンを共有していることが重要です。
会社においては社員が、
・私たちは何を創り出したいのか
・私たちがどうありたいのか
を共有することが重要です。

チーム学習

チーム学習とは会社組織においては社員同士でメンタルモデルや抱えている問題を対話することを指します。
チーム学習の根本にはダイアログ(対話)があります。
会社組織に関わる全ての人が話し合い、これから歩むべき道を決めて一歩踏み出すことが重要だとされています。

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学習する組織を阻害する7つ

学習する組織を阻害する7つの原因があるとピーター・M・センゲは伝えています。
参考:ピーター・M・センゲ(2011)『学習する組織 システム思考で未来を創造する』翻訳小田理一郎・枝廣淳子・中小路佳代子 P56-68
具体的には、以下の7つです。
・私の仕事は〇〇だから
・悪いのはあちら
・先制攻撃の妄想
・出来事への執着
・ゆでがえるの寓話
・経験から学ぶという妄想
・経営陣の神話
それぞれについて解説します。

私の仕事は〇〇だから

仕事上の役割に拘り過ぎると全体を見る力や責任感が失われる話です。
「自分の仕事は〇〇だから」と自分の目の前の仕事や仕事上だけの役割を考えて仕事をしていると、自分のした仕事の結果が様々な部署に影響を与えているのに気づけないことになります。
結果的には起こった問題の原因の一つとなっているのに責任感を社員は持てなくなります。

悪いのはあちら

「私の仕事は〇〇だから」と自分の役割を決め切ってしまうと、悪いのはあちらだと他部署に責任を押し付けることになります。
自分自身のした仕事の結果を見つめて仕事をしなければ問題を起こしたのはあちらのせいだという考え方のせいで根本的な解決ができずいつまでも問題処理に追われることになります。
全体を見て解決することが重要です。
重要なのは人材の質を上げて早期離職を防ぎ、焦らず人材を採用していくことです。

先制攻撃の妄想

先制攻撃の妄想では先手を打っているつもりが根本解決に至らない原因になっていると伝えています。
仕事で問題が起こった時に早く対策を打ち先制攻撃をしかけるよりも、受け身でも問題が起こった根本を解決することが重要です。
相手方に問題があると考えて動くよりも根本的に「なぜこんな問題が起こってしまったのか」という原因を自社内で考えてみるようにしてみましょう。

出来事への執着

出来事への執着においては、出来事にのみ執着することの危険性を説いています。
出来事が起こったのは様々な原因が緩やかに積み重なってつながっているからです。
いきなり出来事が起こったのではなく起こった背景を見て対策を立てることが重要です。

ゆでがえるの寓話

ゆでガエルの寓話では熱湯にいれたカエルはすぐに湯から脱出するのに、温度をゆっくりと上げていくとカエルは気づかずそのまま茹で上がってしまうというたとえ話です。
企業に例えるとゆっくりと市場は変化しているのに気づかず従来のやり方を通して業績悪化を招いてしまうことに似ています。
仕事においても緩やかに起こる変化を見つめて常日頃対処することが重要です。

経験から学ぶという妄想

行った行為の結果を見て別の行為を取り経験し学習することは可能ですが、行動の結果を直接見ることができない状況になったときに経験から学ぶことが難しくなります。
結果の見ることができない状況では経験を活かして改善することが難しくなるためです。
例えば企業で管理職まで昇進した社員が過去自分自身が若いころにしていた仕事内容と同じ仕事を若手に任せても環境などが変わっていて同じような結果が出ないこともあります。そのときに「私が若いころはこうすればうまくいっていたのにいまどきの若い者は簡単な仕事すらできない」と判断してしまうことは危険です。
仕事の難易度が変わっていて経験が通用しない仕事になっているのに気づけていないので若手も管理職も何度もミスをしてしまいます。

経営陣の神話

経営陣の神話では「まとまったチーム」が実はまとまったものではないという展開がされています。
経営陣は会社の部署の垣根を超えてチームワークを高めようとしますが、各部署が「まとまっているように見せかけているだけ」で平時には機能しても緊急事態には全く対応できないとされています。
まとまっているように見せるためには裏では個人の意見が圧殺されていたり会社の方針に疑問を持っている人たちは声を出さないので良い提案も出にくくなってしまうということです。

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学習する組織において重要なのはすべての業務に相関性を見出すこと

学習する組織において重要なのはすべての業務に相関性を見出すことです。
業務を分断化してしまうと社員が仕事の全体を理解できなくなる可能性が高いためです。
課題の真因を見つけるために全体を見て仕事をすることが学習する組織においては重要となります。

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学習する組織を実践する企業事例をご紹介

「どんな組織が学習する組織を実践しているのだろうか」と気になりませんか。具体的には、以下の2例があります。
・日産自動車
・トヨタ自動車
それぞれについて解説します。

日産自動車

日産自動車では学習する企業文化の醸造に力を入れていると報告しています。

参考:日産自動車 日産ウェイ 学習する企業文化の醸成

例えば、e-ラーニングや社員が学習したいと思ったタイミングで学習できるような体制を整えています。

また、社員が価値創造を出来るような専門研修や管理職研修なども用意されているとのことです。

トヨタ自動車

トヨタ自動車においては学習する組織を体現するような施策が実施されていると考えられます。

QCによる改善活動においてはなぜを5回考えるなど学習や問題解決のための思考に重点を置いており、組織にとって難しい問題を解決するような思考力が社員につくように仕組みづくりされています。

参考:日経クロステック トヨタの課題解決力の秘密は「QCストーリー」にあり

また、5S活動は一見、職場環境改善に重点を置いているように見えますが実は職場を徹底的に掃除することによって設備不良を見抜くなど生産を守り利益を増やす役割も果たしています。

参考:日経クロステック 5S

学習する組織のテーマである自発的な学習や共有するビジョンが推進されている可能性が高いです。

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まとめ

学習する組織とは、マサチューセッツ工科大学の経営大学院のピーター・M・センゲが提唱した理論です。
管理型組織からの脱却の重要性について説いています。
学習する組織に変化していくために重要な3つの柱として、以下があります。
・志の育成
・内省的な会話の展開
・複雑性の理解
学習する組織には、以下の5つのディシプリンがあります。
・システム思考
・自己マスタリー
・メンタルモデル
・共有ビジョン
・チーム学習
社員が自発的に学習することによって企業経営が改善される可能性が高いです。


HRコラム編集部

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