パワハラ防止の具体策!企業が取り組むべき3つの視点

2020.04.14 ハラスメント

パワハラ防止の法律に基づき、今後企業ではより一層のパワハラ対策が求められることとなりました。法律では、企業に求める対応が記載されています。パワハラ防止の明言や、相談窓口の設定、パワハラ発生時への対処などです。 とはいえ、ひとことでパワハラと言っても、その程度の差はまちまちです。 パワハラなのかどうなのか、判断が難しいケースもあるでしょう。 パワハラが起きてしまったときに、企業ではどのように対応したら良いのか、3つの視点でご紹介します。

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対策には常に3つの視点をもつ

企業においてパワハラ対応をする場合、常に3つの視点を持つ必要があります。 1)組織としての視点 2)パワハラ被害者の視点 3)パワハラ行為者の視点 このすべてが同じ考え方のもと連動して、初めて対応が意味あるものになります。 例えば、組織としては「パワハラは禁止します。パワハラを行った場合で悪質性が高いと認められた場合、就業規則にもとづき懲戒処分を実施します。」 と伝えておきながら、パワハラが発生しても何も対処しなかったらどうでしょうか? パワハラ対応に限らず、企業が対策を掲げるとき、企業で定めたルールと対応がしっかりと一致することが対策浸透において最も大切です。 では、それぞれに内容を見ていきましょう。

対策の背骨となる「組織としての視点」

何より、企業として、どういう組織を作りたいのかという理想像の設定が大切です。 目指すべきところがなければ、行動変容は生まれないからです。 パワハラが良くないことは周知の事実ではありますが、企業がパワハラ防止を考えるときに、社会通念的に良くないから、と言うだけでは不十分です。 「この会社の理念に反する行為である」ということを企業側が明確に伝える必要があります。「この会社で働く人は、企業理念の実現を阻害する行為であるパワハラは許されない」と伝えることが大切です。 その上で、パワハラが起きたとき、企業として以下のことを行いましょう。

期限を決めた是正措置の実施と評価

いきなりの懲戒処分ではなく、改善のチャンスの提供

会社の規程に沿った対応の実行

就業規則等に基づいたパワハラ行為者への対処の実施

被害者の職場環境に配慮した人事的対応

場合によっては行為者、被害者の異動や配置転換の実施

公平な対応の徹底

人による対応差を無くす努力

心理的な配慮を要する「被害者の視点」

パワハラを受けた従業員は、メンタル的に大きな影響を受けています。 心理的なケアに留意しながら、安心安全の場を確保し、通常業務を行える環境を如何に企業側が早期に提供できるかが重要になります。 特に、相談できる場、頼れる場を確保することは大切です。適切に対処できる専門の相談員の配置や、社内の担当者が対応する場合でも、対応方法の教育を受ける必要があるでしょう。 被害者へのケアを行う際には、以下のポイントに気をつけましょう。

安心して相談できる窓口の設置

「あなたにも原因があるのでは」という目線での投げかけはNGです。その声かけが相談者の安心に繋がるかどうか、を意識した相談対応を行う必要があります。 相談対応やその後の対応が適切に行われないことにより、被害者が外部機関へ訴えることも予想されます。

安心して働ける環境の整備

上記同様、被害者が安心して会社に来れる環境作りを進める必要があります。このためにもパワハラ行為者への具体的な対応が求められます。

プライバシーの保護

被害者は勇気を持って相談を持ちかけています。特に相談窓口で話した内容などを本人の許可なく行為者やその関係者に伝えるようなことがあってはいけません。パワハラの対応をする担当者は、プライバシーの取り扱いについても十分に気をつけましょう。

毅然とした対応と配慮の両方が求められる「行為者の視点」

もっとも難しいと感じるのが、パワハラ行為者への対応ではないでしょうか。これまでみてきたケースでも、それなりの地位にある人がパワハラを行った場合ほど、対応が曖昧になることが多いように感じます。 パワハラをしている人は、今この瞬間の自分の言動がパワハラだとは気づいていません。 業務の延長線上にすべての行為は存在しているからです。 ボルテージがあがっていくときに、「今、ここからがパワハラだぞ」と思うでしょうか。 ですから、本人の認識と客観的な見立てにギャップが生まれます。 パワハラ行為者への対応は、そのギャップを埋める作業です。 そのためには、冒頭でお話しした企業で決めたルールをベースにフィードバックを丁寧にして、パワハラ行為者のどの行為が会社のルールに反しているのかを共有することが大切です。 パワハラが発生した場合、以下の点に注意しながら、パワハラ行為者への対応をしていきましょう。

事実に基づくフィードバックと本人へのヒアリング

会社のルールに基づき、客観的事実のみをフィードバックします。対応する人の思い込みや感情を挟まないこと、決めつけるような言い方をしないことに留意します。同時に一方的なフィードバックではなく、本人の気持ちや意見をしっかりと聞きましょう。

改善意志の確認

面談で、事実関係の確認をしたら、会社としての改善対応を伝え、本人の改善の意志を確認します。ここでも一方的にならないことは大切ですが、毅然とした態度も重要になります。「お願いモード」は良い結果を生み出しません。

改善要請と定期的な評価

改善を必要とする言動について、改善要請を行います。改善にはしっかりと期限を決めます。 そして、定期的に評価、フィードバックしましょう。一度改善要請をしたら、何もフォローせず、本人任せはNGです。

パワハラ行為者本人の心理的サポート

パワハラ行為者がパワハラに至る原因は様々ですが、本人が心理的な課題を抱えていることが原因となっているケースも多くあります。必要に応じて、心理的なサポートが必要になります。特に、中間管理職などは上層部からのプレッシャーが原因のひとつになることも少なくありません。その場合、会社としてのサポートは必須になります。

プライバシーの保護

被害者だけではなく、パワハラ行為者も同じ企業の大切なメンバーのひとりです。被害者同様に、やりとりの内容を他者に伝えるなどは大きく信頼を損なう行為です。

パワハラの傾向を早期にキャッチし対応するには

従業員の人数が増えるほど、人事や経営サイドでパワハラの芽を見つけるのは難しくなります。しかし、周りへの影響を考えたときに、まだ小さな芽のうちに対処することが大切になります。では、早期発見のためにはどうしたらいいのでしょうか。

360度評価を上手に取り入れる

評価制度のひとつに、360度評価があります。360度評価とは、自己評価と上司評価に加えて、一緒に働く部下や同僚にも評価をしてもらう制度です。様々な立場のメンバーからフィードバックをもらうことで、より多面的で客観的な評価につながります。 360度評価を行うことのメリットは、評価制度としての人事考課のみならず、対象者の日常のコミュニケーションのあり方や行動特性がわかるということです。360度評価を上手に取り入れ、本人と他者の認識のギャップを可視化することがで、パワハラ行為の早期発見につながります。 いかがでしたでしょうか。 パワハラが発生したときに、うまく対応できていない、パワハラがなくならない、と言う場合には、ぜひ3つの視点と早期発見の取り組みを試してみてください。

  • 著者紹介

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  • 著者紹介

    株式会社シースリーフュージョン
    代表取締役 小島 希美

    1999年日本女子大学卒業後、システムエンジニアを経て、メンタルヘルス対策専門会社にて、営業、コンサルタント、企画室室長として従事。2018年、株式会社シースリーフュージョン、シースリーフュージョン社会保険労務士事務所を設立。

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