不満がある人続出中!?人事評価の公平性・納得性を考える

2021.03.03 評価制度
人事評価に不満を持つ人

人事評価は社員にとっては、昇給や昇格のかかった大きな関心事です。
人事評価によってモチベーションも大きく変わります。社員のモチベーションをあげるためにも、人事評価には公平性と納得性が求められます。
しかしながら、人事評価に関するアンケートを行うと、必ず公平性と納得性への不満が出てきます。
今回は評価結果を社員の成長につなげる人事評価の公平性・納得性についてご紹介します。

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人事評価制度とは、社員の評価を決定し、評価をベースに社員を育成することが目的

人事評価制度とは、社員の評価を決定し、評価をベースに社員を育成することが目的です。
社員の給料を決定するためだけに評価は存在するわけではありません。
社員の育成を行い、健全な競争を会社内で社員が行うために人事評価制度が存在しています。

人事評価は、社員のパフォーマンスとモチベーションをアップさせるために行う

人事評価は、社員のパフォーマンスとモチベーションをアップさせるという目的もあります。
仮に人事評価をしっかりと整備しても、評価の結果によって特定の社員がモチベーションを失う制度となっては本末転倒です。
出来る限り、社員が評価を得るための基準を明確化するなどして、社員がどう努力すれば評価が上がるのか、モチベーションを持って仕事を出来るのかまでを考えた評価制度を導入することが望ましいです。

目的と導入意義を明確に。人事評価制度を導入する際の企業側の注意点

人事評価制度の導入の意義と目的を企業側は明確にする必要性があります。
どんな人材を評価するのか、どんな考え方で仕事を評価するのかを示していないと、評価される社員側から不信感が出る可能性があるためです。
人事評価制度を導入する意義と目的は、出来るだけ明文化して社員に伝えるようにしましょう。

人事評価制度の3種類

「人事評価制度にはどんな種類があるのだろか」と気になりませんか。
具体的には、以下の3種類があります。
・業績をベースにした評価
・情意を重視した評価
・能力をベースにした評価(能力給)
それぞれについて解説します。

業績をベースにした評価

業績をベースにした評価制度があります。
代表的な評価制度としては、MBOのような目標管理制度などがあります。
業績に基づいて評価するので営業職などのように数字で成果が見える部門には効果を期待できます。

情意を重視した評価

情意を重視した情意評価があります。
情意評価は仕事にそれだけモチベーションがあるかどうかで評価をつけていきます。
そのため、事務職などの成果が数字で見えにくい部門に適用しやすいといえます。

能力をベースにした評価(能力給)

能力をベースにした評価で、能力評価があります。
能力評価は主に企画職などの個人スキルを評価するための評価に使われることが多いといえます。
企画力や実行力をベースに判断し、個人のスキルによって成し遂げた仕事の成果を評価します。

人事評価制度をうまく活用するための計測手法

人事評価制度をうまく活用するための計測手法として、以下の手法があります。
・360度評価
・コンピテンシー評価
・目標管理制度(MBO)
それぞれについて解説します。

360度評価

360度評価は部下も上司の評価に参加するという新しい人事評価制度です。
上司と部下が相互に評価しあうため、公平さを担保できる評価制度となっています。
そのため、働きやすい職場環境の構築などのために導入されることがあります。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、高い業績を残している社員の行動特性をベースにした評価基準を作成する評価制度のことを指します。
高い業績を残す社員の能力にだけ着目するのではなく行動特性にも着眼点を置くことで他の従業員の能力の評価基準を作成することも重要です。
優秀な社員をベースにした評価制度で企業にお手本となる社員がいれば評価制度構築が比較的容易です。

目標管理制度(MBO)

目標管理制度(MBO)は業績に連動して社員を評価する成果型の人事評価制度です。
業績に連動して評価が行われる関係上、成果を出せない社員に関しては評価が低下する傾向にあります。
また営業職のように成果が数字出る職種にはマッチしていますが、事務職などの評価に関しては適用が非常に難しいという側面があります。

人事評価制度によって決定されるべき項目とは

人事評価制度によって決定されるべき項目として、以下の項目があります。
・経営指針
・社員の昇格
・給与などの直接的な報酬
それぞれについて解説します。

経営指針

人事評価制度の最重要点として会社の示した経営指針に社員がついてきてくれるのかどうか・理解を示してくれているかどうかが非常に重要です。
仮に社員個人が成果をあげられているとしても会社の経営指針に基づいて行動をしていなければ評価を上げることが難しくなるためです。
社員に対して経営指針を理解してもらえるように周知徹底するようにしましょう。

社員の昇格

評価と社員の昇格をある程度は結びつける必要性があります。
しかし、社員の昇格に関して人事評価制度でつけた評価をすべて反映させるかどうかは慎重に考えるようにしましょう。
理由として、評価が昇格に深く結びついているのは当たり前ですが評価のためだけに仕事をする社員が出てしまうことが多々あるためです。
社員の育成を主眼においた人事評価制度を導入する場合には昇格と直結させるのではなく、あくまでも育成が目的であり昇給昇格とは切り離すという考え方も重要です。

給与などの直接的な報酬

給与などの直接的な報酬と社員の個人の人事評価と結びつけることでモチベーションを向上させることはある程度は可能です。
頑張りが給与に反映されると頑張れるという社員も存在するためです。
ただし、給与アップだけを目的として評価制度を構築してしまうと成績さえ上げられれば良いとして給与に結びつかない仕事に対してはあまり努力しないという社員がでる可能性があります。
評価をすべて給与と直結させるかどうかは慎重に判断するようにしましょう。

次は、自社の評価制度に不満がある人はなんと6割以上ということについてお伝えします。

→人事評価システムについて詳しく知る
「人事評価システムとは?360度評価システムを導入して、人事業務を効率化しよう」

不満がある人は6割以上!?自社の人事評価制度を見直そう

→アデコ株式会社2018年2月に行った「人事評価制度」に関する意識調査(https://www.adecco.co.jp/about/pressroom/investigation/2018/0618/)の、「あなたはお勤め先の人事評価制度に満足していますか」の問いに対し、62.3%が不満と回答しました。不満を感じる理由としては、「評価基準が不明確」がもっとも多く62.8%を占め、それ以外の項目を大きく上回りました。

→参考・引用:アデコ株式会社 6割以上が勤務先の人事評価制度に不満、約8割が評価制度を見直す必要性を感じている

具体的には、以下の5つの不満がありました。
・評価基準が不明確
・評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て、不公平
・評価結果のフィードバック、説明が不十分
・自己評価よりも低く評価され、その理由がわからない
・評価指標が成果のみで、プロセスへの評価がない
それぞれについて解説します。

評価基準が不明確

そもそも会社が人事評価の基準を明確に定めていないことや、社員に対して人事評価の基準を公開しておらず、評価基準が浸透していないことなどが不満につながっています。
評価基準が不明確である場合、自分の評価がどのような理由で下されたのかが分からないため、納得することができないでしょう。
評価基準が不明確なままでは、どのような行動が評価されることになるかが判断できません。
評価の結果だけを伝える方法では、同じ仕事をしていた同僚は高く評価され、自分はあまり評価されなかったと不公平感だけが募る恐れもあります。
会社として、評価基準を明確に定め、社員にも広く伝えることが大切です。

評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て、不公平

従来の人事評価は評点・順位付けが目的となる傾向があり、評価する側の主観が含まれることが多々あります。
評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て不公平という不満は、上司の好き嫌いで評価が決まる、上司によって評価のされ方が違う、などの原因から出てくる不満です。
人が人を評価する人事評価では、主観を完全に取り除いた客観的な評価を下すことは難しいです。
そのため、評価者のトレーニングや研修をしっかりと行い、評価者として少しでも公平な評価を下す心構えを常日頃から意識させることが大切です。
人のやることだから多少の主観が入ることは仕方がないなどと、恣意的な評価を看過すれば、社員の不満は溜まる一方です。

評価結果のフィードバック、説明が不十分

人事評価のフィードバックを受けていない人ほど、人事評価に不満を抱いている傾向があることが調査の中で分かっています。
フィードバックがない場合、本人には人事評価の結果しか伝わらないため、どこが評価されてどこが評価されなかったのか分かりません。
フィードバックのない人事評価では、下された評価に納得することは難しいでしょう。
また、フィードバックが行われないと、被評価者の改善すべき点も本人に伝わりません。
本人の成長を促すためにも、人事評価のフィードバックはしっかりと行い、良かったところ・悪かったところをきちんと認識させてください。

自己評価よりも低く評価され、その理由がわからない

自己評価よりも低く評価され、その理由がわからないという不満があります。
社員と評価で食い違いが起きないように普段から細かくフィードバックする必要性があります。
社員同士で評価について話をする機会を設けると誤解がなくなり、社員が仕事に打ち込みやすくなります。

評価指標が成果のみで、プロセスへの評価がない

評価指標が成果のみで、プロセスへの評価がないという不満があります。
成果だけを重視して評価をつけると、直接評価に結びつかない仕事が無視される可能性があります。
成果評価を導入する場合、補助的にプロセスへの評価を導入する必要性があります。

→360度評価のメリット・デメリットを理解して公平性・納得性の高い人事評価を
「失敗しない!360度評価(多面評価)のメリット・デメリット」

人事評価制度の変遷。年功序列型から成果主義への移行

日本企業はこれまで年功序列型の賃金制度を導入している企業が多かったのですが、徐々に成果主義の賃金制度へと移行する企業が増えてきています。
昨今は経営環境の変化が激しく、成果主義の賃金制度でこまめに人件費を調整しないと、人件費負担が大きくなってしまうためです。
そのときどきに合わせてある程度は成果によって賃金を支給する方式にしないと、人件費負担によって企業の身動きがとれず、経済の変化についていけなくなってしまいます。

人事評価システムを運営するにあたって起こりうる人的ミスとは?

人事評価システムを運営するにあたって起こりうる人的ミスとしては、以下の具体例があります。
・ハロー効果に目がくらむ
・評価者としての適性がそもそも低い
・フィードバックを適切に行わない
それぞれについて解説します。

ハロー効果に目がくらむ

ハロー効果とは人事評価の世界では「仕事とは関係ない部分で仕事に関する評価を決断してしまうこと」を指します。
例えば高学歴の社員があまり重要な仕事をしていなかったとしても、学歴が高いからと良い評価をしてしまうケースなどが該当します。
ハロー効果には注意する必要性があります。

評価者としての適性がそもそも低い

人的評価ミスが起こる原因として、評価者としての適性がそもそも低いといった問題もあります。
評価者はほとんどの場合、管理職が担うことになるためです。
管理職に登用されるまでは目の前の仕事をこなすことが上手な人が評価されるため、実際に評価する側に回るとなかなかうまく評価ができないという問題が起こります。
評価者に対する教育研修などを実施する必要性があります。

フィードバックを適切に行わない

フィードバックを適切に行わない場合には評価ミスが起こりやすくなります。
上司と部下の間で目標の共有がスムーズにいかないためです。
目標の共有がスムーズにいかなければ、途中の経過や目標設定当初の意気込みなどを忘れてしまっていることも多くなります。

人事評価のメリットとデメリット

「人事評価のメリットとデメリットってどんなところにあるのだろうか」と気になっていませんか。
人事評価については、導入することで、社員のモチベーションがアップする可能性があります。
一方で、完璧な人事制度を導入することはほぼ不可能なため、人事など評価を掌握する部署は常に評価制度に振り回されることになります。
人事評価制度のメリットとデメリットについて解説します。

人事評価のメリット

人事評価を導入することによって、従業員のモチベーションアップと仕事の生産性アップが期待できます。
評価制度があることによって、評価されると良い給与が良くなることや、地位が向上して仕事がしやすくなることが期待できるためです。
ただし、あまりにも過度に賃金につながる評価ばかりを重視すると、地味だけれど誰かがやらないといけない評価されにくい仕事を率先してする人がいなくなるなど、組織的に良くないことが起こる可能性があります。

人事評価のデメリット

人事評価のデメリットは、評価制度のために時間を割く必要が出ることと、評価に個人差が出ることです。
人事評価を導入することによって、評価制度を運用するために非常に労力を割くことになります。
また、評価制度で差が付くことによって、評価されていない社員は仕事へのモチベーションを失うことになりかねません。
評価制度を何度も見直すなどして、社員の誰もが努力すれば評価されるような制度を考えて運用していくことが大切です。

人事評価制度の作り方とその基本

人事評価制度の作り方とその基本としてはまずは会社としての大きな目標を立てる必要があります。
組織全体の目標を定めていないと、社員に対しての目標設定が行えなくなる可能性が非常に高いためです。
会社全体としての組織目標をまずは立てることを優先しましょう。

制度設計の基礎的な作り方

制度設計の基礎的な作り方としては、以下の方法があります。
・目的を定める
・基準を設定する
・人事評価制度の評価項目を作りこむ
・評価結果を何に反映させるかを決定する
それぞれについて解説します。

目的を定める

目的を定めることがまずは重要です。
人材育成をするために人事評価制度を作るのか、単純に金銭的な報酬アップのために評価制度を作るのかというような目的のことを指します。
スタート時点が「人材育成を目標」としているのに実際に運用してみると「給与アップのためだけに働く社員ばかりになってしまった」という状態になると人材育成のためというスタート地点を見失うことになります。
何を目的とするのかをまずは定めるようにしましょう。

基準を設定する

人材評価の基準を必ず設定するようにしましょう。
特定の行動が出来たら評価するなどの細かな行動基準などのことです。
基準がなければ評価をすることが難しくなります。

人事評価制度の評価項目を作りこむ

人事評価制度の評価項目を作りこむようにしましょう。
評価項目については自社独自で「生産要件」や「仕事への意欲」などを勘案できるような評価項目を設定するようにしましょう。
他社事例を参考にすることも重要ですが出来るだけ会社独自基準を設けるようにしましょう。

評価結果を何に反映させるかを決定する

人事評価結果を何に反映させるかを決定するようにしましょう。
業績連動などの成果主義の評価制度ならば給与に直結させる、人材育成をメインにしている場合には社内表彰を行うなど何かしら社員に対する還元を考えることが重要です。
良い評価を取ったら金銭または表彰等でモチベーションをアップできるような報酬を考えるようにしましょう。

人事評価シートへのコメント内容の例文

「人事評価シートにはどのようなコメントを書けばよいのだろうか」と気になりませんか。
評価シートへのコメントの書き方としては結論から書き短文で書くようにします。
営業職の評価シートへのコメント内容の例文について解説します。

営業職の評価コメント例文

高く評価をしたい。
営業成績が前年同月比130%となり、非常に高い成績を残せている。
また、仕事に対しても非常に意欲が高く早くも係長昇格を目指して後輩指導などを行っている。
将来が楽しみな人材である。

評価の決定の仕方と等級の決定方法

評価の決定の仕方と等級の決定方法として、従来の評価指標などを見直す必要性があります。
人事評価制度をなんとなく運営していた場合には、旧来の最高評価者の評価が下がってしまうケースがあるためです。
必ず評価が下がる人のモチベーションが下がらないような方法も併せて考えておくようにしましょう。

ノーレイティングを導入する企業も存在する

昨今ではノーレイティングという評価制度自体を導入しないという企業も存在しています。
ノーレイティングではSABCという風に評価をつけるのではなく社員との面談を通してその面談のたびに評価をつけていく手法です。
経営環境の変化が激しい時代に突入しているため、目標を柔軟に変化させることが重視された評価方法です。

人事評価への不満を回避するには?人事評価制度導入の方法

人事評価の不満はモチベーションの低下だけではなく、離職の原因にもなります。
既存制度の整備や、360度評価など公平性・納得性が高いとされる制度を導入するなどの検討が必要です。

評価基準の明確化と周知

人事評価への不満の対策として、まずは社員に人事評価制度への理解を深めてもらうことが大切です。
会社の方針の明示や、評価項目に妥当性を担保して、きちんと社員に説明機会を設けましょう。

評価の公平性

評価に不満を抱く原因に「上司は自分のことを理解していない」と感じていることがあげられます。
そのような感情を持ったまま面談に臨んでも、結果に対して前向きな捉え方をすることは困難です。
評価する者とされる者との信頼関係が大切です。いくら仕組みに妥当性があっても、評価者と被評価者の間に信頼感がないと、納得性は薄れます。

評価の納得性

年に1〜2回、結果を返すだけの評価面談のみで終わってしまうのではなく、社員の納得性を高めるために、フィードバックでは、評価に対する読み解き指導や研修、1on1などを通じて本人に「気づき」を与え、行動を変えるように促すことが必要です。
また、信頼性の獲得のためにも積極的なコミュニケーションをこころがけ、仕事ぶりや行動の変化を把握しましょう。

おわりに

人は正当な評価がされないとモチベーションが下がり、やる気を失います。
人事評価は査定の場ではなく、社員の成長を促し、先々の高いパフォーマンスにつなげていく仕組みです。
人事評価制度に不満の多い職場は何かしらの不備があるはずです。
離職を防ぐためにも、まずは自社の現行の評価制度を見直してみましょう。

(2021.3.3 追記)

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スマレビHR ONLINE 編集部

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